導入事例と採用側の想い

江別盲人養護老人ホーム 恵明園

相談支援係長 石岡 浩司様

設置場所:入口から手すりまで

歩導くん ガイドウェイを導入してみていかがですか?

イベントで歩導くんを知りました。
最初の印象は「使えるのかな?滑らないかな?躓かないかな?」と思いましたが、実際に使ってみて、誰一人躓く人はいませんでした。掃除も毎日していて、一カ月に一回、大きい清掃機で床掃除もしますが、邪魔にもならず、まったく問題ありません。

新しく入ってきた方には、誘導マットを設置していることをお伝えしています。廊下から玄関へ向かう道に誘導するために設置したのですが、玄関の方ではなく、向かいの階段に行くための手掛かりとされている利用者さんもいます。玄関には間違いなく安心して行きやすいです。

また、事務所から出てきて、マットの端が足に触れると、玄関の中心に来たんだな。という位置確認ができるのもいいです。目的の場所だけでなくて、あらゆる手掛かりとなっていますね。期待は、手すりの切れる廊下から玄関の自動ドアの真ん中に行くという1つだけでしたが。思わぬ副産物が生まれました。


写真奥が玄関。右手方向に廊下。


玄関正面から見た配置。
左手に廊下。右手に事務所と階段がある。

誘導マットがどのようなところにあると良いと思いますか?

本施設であれば、追加で食堂に設置したいです。
目が見えない人には行きづらい食堂でして。日々の生活で利用者が色々と術を身につけているわけですが、足掛かりがあればもっと楽になるんだろうなぁ。という思いがあります。

様々な公共の建物で点字ブロックが無いところには、設置して欲しいですね。後付けで設置できるという点は最高にいいと思います。点字ブロックよりもバリアにならないですし。

点字ブロックは凸凹しているから、盲人の方が歩くのには適しているのでしょうけど、他の方にはバリアになってしまいますし。この誘導マットですと凸凹があまりないですし、後付けで建物に設置できるのであれば、点字ブロックよりは優れていると思います。点字ブロックは外に優れていて、建物内であれば、誘導マットの方が優れているように思います。

あとは、空港とかにもこちらの誘導マットを入れてほしいと思います。
駅とかにも取り入れてほしいですね。ホームは点字ブロックの方がいいのかもしれませんが、構内であれば誘導マットでもいい気がします。色々な方が通行しますから、バリアにならないと思います。そのような意味合いであれば、スーパーやデパートなどの点字ブロックも、誘導マットの方が良いかと思います。

今後、どのような活動をされて行きたいですか?

現在、盲導犬の利用についての相談に乗ったり、子供たちに視覚障がい者の手引きの仕方とか介護の仕方とかを教えたり、それ以前に「見えないってどういうことだろう」という話をしたりとか…。視覚障がいへの理解について活動をしてきています。

本施設で、中学生や高校生が体験学習に来ることもあるのですが。
視覚障がいの方のイメージを聞くと、暗いイメージしかないんですよね。「苦労ばっかりしてきたんだろうな」とか。
でも、実際に利用者さんとお話してみて、体験を終えるころには「楽しい人生を送っているんだ!」というイメージに変わっています。
たとえば、目の見えないお年寄りがメールのやり取りをしているなんて誰も思わないみたいで、驚いていたり、一緒にレクレーションをして、「見えなくてもこんなに楽しめるんだ」と思っていただけたり。新しい発見がたくさんあるようです。

学生さんが一番びっくりしていたのは、食堂に来るときですね。
職員が利用者さんを手引きしてくると思っていたようですが、実際は部屋から食堂まで一人で歩いて席に着く光景を見て「なんで自分の席が分かるんですか?!」と驚いていました。

利用者さんと触れ合う前に、アイマスクをして疑似体験をしているので、目が見えない大変さを経験しているからこそ、想像以上の驚きがあるのでしょうね。因みに、平成2年からこの取り組みは行っています。

この活動を通して伝えたい想いはありますか?

「必要なことを必要なだけできる」ということですかね。

すべて介護する必要はなくて、困っているときに声を掛けられるような人になってほしいです。恐らく視覚障がいの方が歩いていて困っているときというのは、ほんの些細な事がたまにあったりするくらいなんですよね。その時に、「的確に必要なことだけ」を手助けしてもらいたいです。

よくお子さんにお伝えしているのですが、「僕個人は足が悪いわけでもないので、電車で席を譲っていただく必要はないんですけど、ガラガラの電車で一人だけ立たせておくのはやめてね」って。「見えない障害は、空いている席を探せない障害です。」と。

では、何のために優先席があるかというと、「障がいを持っている方とか、妊婦の方が歩くのは遅かったりするから、端っこの降りやすい場所に席があるんだよ。」と。だから、席が空いていたら教えてあげるとか必要な方に席を譲るとか、当たり前のことを身につけてほしいという話は良くします。

この活動は必要とされる限り続けていきたいですね。

取材日:2018年3月22日