Guideway歩導くんロゴ

072-992-2328

受付時間(平日9:00~17:00)

導入をお考えの方へ

お客様の声

徳島県庁の写真 徳島県庁 徳島県経営戦略部 管財課課長補 佐志田美穂 様 徳島県県土整備部 営繕課係長 出原誠 様 設置場所 行政棟・議会棟 ■1階入口〜受付、トイレ前、エレベーター前
■2階以上の各階エレベーター〜案内板
まず徳島県庁舎の状況についてお伺いします

Q.1日あたりの来庁者数がおわかりでしたらお教えください。

 

A.これまでは、県民の方や業者の方などいろいろ含めて500~600人でした。ただコロナで少し減っていますので今だと400~500人ぐらいでしょうか。

 

Q.職員の方は何名ぐらい勤務されていますか?

 

A.ワンフロアに約200人ぐらいで11階までですので、およそ2,000名です。

 

Q.職員の方で障害をお持ちの方はおられますか? また差し支えなければ障害種別についてもお教えください。

 

A.身体・精神などさまざまな障害のある職員が在籍しています。近年はより積極的に採用を行っているようです。

 

Q.障害のある方が働きやすいような環境づくりとして何か実践されていることはありますか?

 

A.車いすの職員がいる部署では周囲のスペースを広げたり、聴覚障害の職員には電話応対のサポートをしたり、ほかにも歩行に障害がある職員には庁舎に近い駐車場を使ってもらうなど、出来る範囲での「合理的配慮」を心がけています。私たちと一緒の職場で働いているロービジョンの職員は特段の配慮は不要ですが、今後も意見を聞いて働きやすい環境づくりに努めていきたいと思っています。

 

Q.来庁者の方にはハード面でどのような対応をされていますか?

 

A.歩導くんなど一連の誘導設備設置の際、視覚障害の方が県庁舎を「訪れやすい」「認識しやすい」と感じていただくことを意識して行いました。有識者や当事者の方による検討を複数回行い、屋外は黄色の点字ブロック、屋内は歩導くんに再整備しました。

 

併せて、受付カウンターを玄関から入ってすぐの場所に移設するとともに、誘導設備をトイレまで延伸してその先に触知案内板を設置しました。エレベーターホールの照明を明るくする改修も行いました。

 

元々、車いす対応のオートアナウンス付きエレベーターの設置や、可能な限り段差を減らすこと、階段の手すりに点字を付けることなどは庁舎が建てられた頃から行っていましたが、改めて当事者の方にお話を伺う中でいろいろなご意見をいただき、今回の改修にできるだけ取り入れることとしました。

 

 

トイレ改修も最近行いました。特に多機能トイレは車いす利用者を中心にするのか、オストメイト利用者にも配慮するのか、お子様連れや杖を使っている人にはどう対応するのかなど、ターゲットを見直して、県庁舎内のいずれかの多機能トイレに行けば、用途にあった機能が使えるように、利用者を想定しながらアップデートしています。

 

こうしたトイレの表示は庁舎のフロアマップでも確認できます。https://www.pref.tokushima.lg.jp/floormap

次に歩導くん導入のいきさつについてお教えください。

Q.もともとは屋内も点字ブロックがあったと伺っておりますが?

 

A.以前から「点字ブロックがわかりにくい」というお話はパラパラといただいていました。点字ブロックのJIS規格が制定される前に建てられた庁舎ですので、屋内屋外ともに凹凸が浅いものだったんです。

 

Q.そんなにわかりづらかったのですか?

 

A.屋内は大理石、屋外は御影石を削って点状・線状ブロックにしていましたが、屋内は普通に歩いていたら点字ブロックだと気付かないぐらいで、これ何の線だろう?という感じでした。それで庁舎内では青いシールを貼って明度差を付けたりと、対応はしていたのですが……。時をおいて同じようなご意見が何度かありましたので、これは専門家のご意見を聞きながら整備を進めていかないと、となって有識者にお集まりいただき検討会を立ち上げました。

 

Q.そこからどのようにして歩導くんにたどり着いていただけたのでしょうか?

 

A.検討会の中で、まずは屋外からということになり、屋外は一般的な黄色のJIS規格の点字ブロックという流れになりました。屋内については、庁舎の設計コンセプトも大事にしながら、というのがありましたから、機能的でありながら周辺に調和するものはないのかと結構探しましたね。たしかwebで「誘導案内」のような言葉で探しているときに歩導くんを見つけたと思います。

 

その後、歩導くんHPの導入事例に掲載されていた徳島視覚支援学校に実際に見に行った上で試しに購入して、検討会に持っていきました。JIS規格の点字ブロックだと凹凸がはっきりしているので視覚障害の方にはやさしいと思うのですが、車いす利用者、高齢者、妊婦さん、ベビーカーの方々には凹凸は大きな障害になるのかなと考え、歩み寄れるとしたらこれしかないな、という感じでした。

 

検討会の中で全盲の方にも歩導くんを試していただき、「これなら踏み心地でわかるね。」と言っていただきました。

 

色はロービジョンの方お二人に、正面玄関ホールに仮置きした6色の歩導くんの上を歩いていただいて、どれが見やすいか確認をお願いしました。青とピンクが比較的見やすいとのことで、最終的に青に落ち着きました。

 

 

2021年12月に設置いただいてから現在までの状況についてお伺いします。

Q.視覚障害の方から何かご意見はございましたか?

 

A.今のところはないです。当事者の方の来庁はあまり多くないですから。市役所などと違って何かの手続きに来られるということも少ないですし、直接のご意見を聞きづらい面はあります。ただ、利用される当事者の方は必ずいらっしゃるのでこういう整備を行いました。

 

当事者の方ではないですが、県庁ふれあい室に来られる一般の方から「あれって何ていうもの?」「あのマットは何であの色なの?」というお問合せはありました。「歩導くんというもので、車いすの方にもやさしい視覚障害の方の誘導マットです。青が見やすいそうです。」ってお答えすると「あ~、そうなんやね.。」と納得してくださいます。このような取組を知っていただくことにも意味があるなと思っています。

 

 

Q.県庁ふれあい室という部署があるのですね?

 

A.県庁舎を訪れる方の窓口となっています。県庁ふれあい室ではさまざまなイベントも行っていて、コロナ前には多くの方が来られていました。コロナが収束したら、子どもたちももっと庁舎見学に来られるでしょうし、そうなると歩導くんを見て「これなに?」と聞かれるかもしれませんね。

 

Q.導入後のご感想としては他の施設に薦めてもよいと思っていただけたでしょうか?

 

A.はい、もちろんです。ここをモデルに他の県有施設に広げていくという目的で行った整備ではないですが、やはり何かやろうとしたとき、最初は本庁舎からというのが多いんです。合同庁舎などの方が一般の方が訪れることも多いですから、今後は時代の流れからも、万代庁舎の歩導くんを参考にする動きは出てくるかもしれない、と思っています。

最後に、これからのことについてお聞かせください。

Q.ここまでにご紹介くださったさまざまなご対応以外で、誰もが利用しやすい庁舎としてこの先取り組もうとされていることはございますか?

 

A.障害のある職員に声をかけて、庁舎内で不便を感じる点について、アンケート形式で聞こうという話が持ち上がっています。秋ごろまでに、ハード・ソフト両面から聞かせてもらって、できるところから改善していく予定です。私たちだけでは見えない部分を、当事者の職員に協力してもらって点検していこうと思っています。

 

Q.本日お聞きした全体の印象として、困りごとひとつひとつに耳を傾けられ、丁寧にお応えされている県庁だと感じました。

 

A.やるからには役に立つものに、無駄なものにならないようにと思って取り組んでいます。

 

Q.では将来このような県にしたい、という想いがあればお教えください。

 

A.県を代表してお答えするのは難しいですが……。庁舎管理部門の一員としては、利用しやすい庁舎を目指しています。歩導くんの敷設を含めた一連の改修と東京オリパラがよいきっかけになりました。これを機に、先ほどのアンケートのようにこちらから動いていこうという姿勢になっています。

 

「合理的配慮」についても「できる範囲で」となると、どうしてもソフト面が中心になるんです。ただハード面もいつかは手を入れないと無理が出てくるんですよね。だからいろいろ意見を聞いて、ハード面なら私たちの課の出番だという感じで。全部できるとは思っていませんが、できるところまでは精一杯やりたいと考えています。

 

取材日:2022年5月25日

前に戻る
ページトップ