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領家グリーンゲイブルズの写真 領家グリーンゲイブルズ 施設長  加藤木貢児 様 設置場所 玄関から廊下の手すりまで、廊下の各扉前、食堂内の主要動線

埼玉県上尾市の自然豊かな場所に「領家グリーンゲイブルズ」はあります。同施設は障害福祉サービスを提供する多機能型事業所で、生活介護と就労継続支援B型の通所施設となっています。視覚に障害のある利用者様が多く、2020年4月の開設からほどなくして誘導マット「歩導くんガイドウェイ」を設置いただきました。

 

設置後約3年にわたってご活用くださっており、今回あらためて施設長の加藤木様にお時間を頂戴し、いろいろなお話を伺ってまいりました。

 

インタビューに答えてくださっている加藤木施設長と利用者の少年

【事業所について】

Q:現在何名ぐらいの方が施設を利用なさっていますか?

A:生活介護のご登録が9名で月平均8.4名ぐらい、就労継続支援のほうのご登録が19名で月平均9名ぐらいのご利用となっています。

 

Q:どのような障害の方がおられますか?

A:生活介護の利用者さんは、視覚の障害に加えて知的や肢体などにも障害のある、いわゆる盲重複障害の方。B型のほうは、視覚障害の方が中心で、他に精神障害や肢体不自由の方がいらっしゃいます。

 

Q:利用者様は日々どのような活動をされていますか?

A:いろいろなことをしています。コーヒー焙煎、ドリップパックなどの商品づくり、農作業、マッサージ、点字名刺制作、革製品・手づくり品の作成など、それぞれの方に適した活動を行っていただいています。

 

名刺に点字を印刷する作業をしている利用者様

 

Q:開所されたきっかけを教えていただけますでしょうか。

A:私は以前盲学校で教員をしていたのですが、盲重複障害者は学校を卒業した後の行き場所がない、という問題がありました。そこで保護者の方と「行く場所がないなら自分たちで居場所を作ろう」と有志が集まって、NPO法人を設立したのがはじまりです。

 

Q:グリーンゲイブルズという名前の由来について教えてください。

A:保護者の中におひとり、赤毛のアンが好きな方がおられて、ご自分の娘さんにもアンに似た名前を付けてらっしゃるんです。赤毛のアンの原題が「Anne of Greengables」というのにちなんで、アンが育った家のように、ここを利用するみんなにも毎日楽しく暮らしてほしい、という願いを込めてこの名前にしました。

 

事業所内で販売されているコーヒー豆

【歩導くん ガイドウェイについて】

Q:歩導くんガイドウェイは何で知ってくださったのでしょうか?

A:2017年に開催された全国盲学校フロアバレーボール大会のときに知りました。第1回となった埼玉大会がサイデン化学アリーナで行われたのですが、会場内に設置されているのを見て、開所するときは最初からこれを設置しようと思いました。

 

Q:実際に導入してくださった理由について教えてください。

A:視覚障害者といっても、全盲・弱視・盲重複・車いすユーザーといるので、みんなが使いやすいものが欲しいと思ったからです。それに色も複数あって弱視の人にもわかりやすいですし、車いすの人でも段差に引っかからないのも決め手になりました。

 

Q:設置場所や色はどのように決めていかれたのでしょうか?

A:まず動線をスタッフで検討しました。それで手すりがない場所に設置したいと考えました。廊下は黄色、ホールは緑、男性用のトイレ前と更衣室前はブルー、女性用トイレ前と更衣室前はピンク、多目的トイレ前は緑というふうに色分けもしました。

 

廊下に設置されている誘導マット

 

Q:職員様と利用者様で設置作業を行っていただきましたが、やってみていかがでしたか?

A:みんなで作業の一環として楽しく取り組めました。自分たちで作業をしたことで、設置した後に慣れるのも早かったです。

 

Q:ご活用くださっている利用者様の様子をご覧になられていかがでしょうか?

A:視覚と知的の盲重複障害の方でも、ガイドなしで自分で歩くことができているので良いですね。

 

Q:ここにも歩導くんが設置されていたらいいのにと思われる場所があれば教えてください。

A:災害時の避難所です。避難所設置マニュアルには、「ロープなどをガムテープで貼って簡易的なガイドを作りましょう」と謳われていますので、歩導くんよりは細くて安価なもののほうが良いのかもしれませんが、やはり道しるべとなるものが当事者の方には必要です。ぜひ行政に売り込んでほしいと思います。

 

誘導マットの設置作業をしていただいている職員様と利用者様

【今後について】

Q:利用者様を取り巻く環境として、街のバリアアリーや人の考え方など、社会がこうなってほしいという願いは何かございますか?

A:一番の理想は、その人が出かけたいときにいつでもガイドを頼むことなく、ひとりで気軽に出かけられるような社会です。仕組みとしては、制度と歩導くんなどを含めたインフラの両方が考えられますが、ひとりで気軽にという点では、誰もが困らないユニバーサルデザインのインフラ整備が進んでほしいと思います。

 

Q:最後に、グリーンゲイブルズさんが今後やりたいことを教えてください。

A:みんなが毎日楽しく過ごせる場所であり続ける、これからもその継続です。では楽しいとは何か、となるんですが、みんなが自分のやりたいことや出来ることを見つけて新しいことに挑戦していく、ということではないでしょうか。そうした場所であり続けたいですね。

【取材を終えての感想】

グリーンゲイブルズという名前に込められた想いそのままに、皆さん楽しそうに過ごしておられました。施設長の加藤木様には丁寧に施設内をご案内いただき、職員様と利用者様にはあたたかく迎えていただきました。とても居心地の良い場所、という印象です。事業所内の焙煎所でいただいたコーヒーも大変美味しくて、お世辞抜きに今まで飲んだコーヒーで一番かもしれません。しかも同じ豆なのに焙煎士の方によってそれぞれ違った味を引き出していることにも驚きました。

 

施設の裏には利用者様が農作業を行う畑が広がっていて、時間がゆっくりと流れるような感覚に包まれました。視覚障害の方が利用する施設としては少し不便な立地かな、とも思ったのですが、送迎車があるので問題ないとのこと。それどころか、車でしか通えないというみんな同じ条件なのが利点なのだそうです。駅の近くだと、単独歩行に長けた人は自分で通えるけれど、そうでない人はガイドが必要になります。時にはそうした差が利用者間の心の優劣を生むケースもあり、それが無いのはとても良いことらしいです。

 

加藤木様曰く「来客大歓迎」とのことなので、取材希望のメディアの方、視覚障害の方やご家族の方、福祉関係の仕事をされている方、福祉を勉強したい学生の方など、訪れてみてはいかがでしょうか。きっと良い発見があると思います。

 

食堂での昼食風景

 

取材日:2023年4月27日

 

NPO法人みのり 領家グリーンゲイブルズ様HP
http://ageo-minori.or.jp/green/

ネットショップ GGメイド(コーヒーや点字用紙リサイクル品などを取り扱っています)
https://event.ageo-minori.or.jp/

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