知る・役立つ
病気や事故で目が見えない・見えにくい状態になった人が、元の生活に近い状態を取り戻し、自立できるようにするための支援や訓練。視覚に頼っていた人が視覚障害になると、多くのことが難しくなったりできなくなったりします。そこで、専門家による指導やサポートを受け、視覚以外の身体機能や残存する視機能、あるいはIT機器や補助具などを活用しながら、歩行・読み書き・家事・仕事などができるようになることを目指します。略して「視覚リハ」と言います。
視覚に障害のあるユーザーと一緒に外出し、移動の手助けをしてくれる犬。仕事中はハーネスという白い胴輪を付けます。ハーネスの背中部分にあるハンドルを通じてユーザーは盲導犬の動きを感じ取ります。行き先はユーザーが指示をするので盲導犬が自分の意思で誘導するわけではありません。歩行中に障害物・曲がり角・段差があればユーザーに伝えて、安全に導くのが役割です。視覚障害者の行動範囲を広げてくれる大切なパートナーなのです。
略称「国リハ」。埼玉県所沢市にある、日本の障害者リハビリテーションの中核を担う国の機関です。組織は、総合的リハビリ医療を提供する病院、リハビリ技術・福祉機器の研究開発を行う研究所、リハビリ専門職の育成を行う学院、障害者の自立と社会参加の支援を行う自立支援局、管理部、企画・情報部の6部門で構成されています。その他の地域にある自立支援局の施設でも、自立訓練(機能訓練・生活訓練)、就労移行支援などを行っています
はくじょう、と読みます。主に視覚に障害のある人が歩くときに使用する白い杖のことです。盲人安全つえとも言います(身体障害者福祉法ではそのように記載)。機能としては、①周りの人に視覚障害の人かな?と気づいてもらう(シンボル) ②ダイレクトに障害物にぶつからないよう身を守る ③杖の先で路面を探ったり叩いたときの反響音を聞いて周囲の状況を把握する、といった3つの役割があります。白杖については他にも情報がありますので、関連項目も併せてご覧ください。
ひとりで外出するのが難しい視覚障害者のために、介助者が一緒に行動して移動や読み書きなどのサポートをする福祉サービスです。主な支援内容は、歩行時の誘導、安全の確保、視覚情報の提供、代読・代筆など。介助(ガイドヘルパー)の仕事をするには「同行援護従業者養成研修」を受けて資格を取得しなければなりません。視覚障害者にとって大変ありがたいサービスなのですが、1ヶ月の利用時間や同行援護事業所の数に地域差があったり、通勤・通学に利用できないなど、課題もあります。
視覚障害者がひとりで外出できるようになるための訓練。白杖の正しい使い方、道路の安全な歩き方、電車やバスなどの乗り降りの仕方などを必要に応じて学びます。また通勤や通学といった決まった目的地までの移動を集中的に訓練するケースもあります。全国各地の歩行訓練士が所属する機関で実施しており、「入所」「通所」「在宅(訪問)」などさまざまな形態があるので、まずは相談してみるのが良いでしょう。併せて他の自立訓練(生活訓練)を受けられる場合もあります。
誰もが生活しやすくなるように、社会の中にある障壁を取り除くこと。障害者や高齢者、ベビーカーを押している人にとって移動しづらい場所があったとします。そこにスロープを付けたり、手すりを付けたり、エレベーターを設置したり、あるいはもっと大掛かりな工事をしたり。みんなが移動できるようにするためにはいろいろな方法が考えられます。視覚障害者の移動を妨げるバリアを無くすにはどんな方法がありそうでしょうか。皆さんも一度考えてみてください。
横断歩道の真ん中あたりに直線的に設置されている突起状の道筋のことです。視覚障害の人は手がかりのない広い空間を真っすぐ歩くのが容易ではありません。そのため横断歩道を外れてしまったり、方向を見失って進めなくなることがあります。これによる事故を防ぐため、凹凸で進路をわかるようにしています。同様に踏切内の事故を防ぐため誘導表示の整備が進められていますが、これもエスコートゾーンの一種とされています。