知る・役立つ
視覚に障害のない人。見えない・見えにくいことで日常生活に何らかの支障がある視覚障害者に対して、見えている、もしくは見えにくい視力であっても眼鏡やコンタクトレンズなどを使用することで、日常生活において見え方の困りごとがない人のことを指す表現。
両眼の視力がまったくなく、光も感じない状態。したがって目から入ってくる情報はいっさいありません。ただし、明暗の識別ができる「光覚弁」と、目の前で手を動かした様子がわかる「手動弁」が、厚生労働省の基準で「失明」に含まれるため、これらの見え方であっても、広い意味で全盲として扱われるケースもあります。なお全盲には先天性・後天性がありますが、失明は後天的な場合にのみ使われるのが一般的です。
目や脳の視覚を司る機能に障害があり、見えない・見えにくい状態。見えにくい状態とは、眼鏡をかけたり投薬や手術を行っても視力や視野が改善されず、日常生活に何らかの支障を生じるような見え方のことです。身体障害者福祉法の規定により障害者手帳の対象となるのは視力と視野だけですが、色の判断がしづらい色覚障害や光の感じ方をうまく調節できない光覚障害など、さまざまな見え方の問題を包含して視覚障害とする場合もあります。
病気や事故で目が見えない・見えにくい状態になった人が、元の生活に近い状態を取り戻し、自立できるようにするための支援や訓練。視覚に頼っていた人が視覚障害になると、多くのことが難しくなったりできなくなったりします。そこで、専門家による指導やサポートを受け、視覚以外の身体機能や残存する視機能、あるいはIT機器や補助具などを活用しながら、歩行・読み書き・家事・仕事などができるようになることを目指します。略して「視覚リハ」と言います。
正式名称を「障害者の雇用の促進等に関する法律」と言い、障害者の職業の安定を図ることを目的とした法律です。企業や国・地方公共団体などの事業主が一定の割合で障害者を雇用する義務、障害者が自立して仕事に就けるよう職業訓練や職業紹介を行う機関の設置、障害を理由とした差別的な行いの禁止と障害特性に応じた配慮などについて定めています。この法律は制定以来これまで何度も改正されてきました。当初は身体障害者のみでしたが、1998年に知的障害者、2018年に精神障害者が対象となりました。事業主に義務付けられている雇用率(法定雇用率)も度々変遷し今後も段階的に引き上げられることが決定しています。
正式名称を「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」と言います。2016年に施行された比較的新しい法律で、「不当な差別的取扱いの禁止」と「合理的配慮の提供」が定められました。適用範囲は役所や会社・お店などですが、もちろん法律の対象でないからといって個人が障害者に差別的な態度を取ってよいわけではありません。この法律の本来の目的は、障害があってもなくても互いに尊重し合いながら共生する社会を目指す、ことです。
視覚障害者用の卓球競技です。頭文字を取ってSTTと略されることもあります。一般的な卓球との大きな違いとしては、プレイヤーは全員アイマスクを付けて試合を行うこと、音の鳴るボールを使用すること、ボールを転がして卓球台とネットの間の隙間を通過させ相手コートへに入れること、などがあります。全国障害者スポーツ大会の種目にもなっており、メジャーなブラインドスポーツのうちのひとつですのでぜひ注目してみてください。ただし声を出しての応援はできませんので観戦の際はご注意を。
障害のある人が所持できる手帳です。身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の3種類があり、さらに障害の程度に応じて等級が分けられています。手帳の種類や等級による違いはあるものの、福祉・就労・公共や民間のサービスにおいて一定の支援や控除を受けることができます。手帳は申請によって都道府県知事および指定都市の市長から交付されるものです。該当する人の中にも、障害を受け入れたくない、制度を知らないなどさまざまな理由から、手帳を所持しないまま生活している人がいます。手帳の取得はご自身の判断であり強制されるものではありませんが、まずは正しい情報を得るためにお住いの地域の障害福祉課にご相談していただきたいと思います。
パソコンやスマートフォンを目で見て操作するのが難しい視覚障害者のために、画面情報を音声で読み上げてくれるソフトウェアです。機器に標準で搭載されているもの、後からインストールするもの(有料と無料がある)など種類はさまざまです。はじめは操作の習得に苦労するかもしれませんが、各地で講習会が開かれていたり、中には個別で教えてくれるところもあります。お住いの自治体や地域の当事者団体、または支援団体に相談するのが良いでしょう。
見えない・見えにくい人が、福祉や教育、リハビリテーションといったサービスに繋がれるようにするための社会システムです。各都道府県単位でその地域の制度や支援施設などの情報をまとめたリーフレットを作成しており、眼科を訪れた患者さんに渡すことで、医療から福祉への橋渡しができるようになっています。webからダウンロードできるものもありますのでご確認ください。
同じ漢字で「ぼくじ」と読むときは墨で書かれた文字のことを指します。「すみじ」と読むとき、また視覚障害者が使用する点字と対で用いるときは、紙に書かれた(あるいは印刷された)ふつうの文字のことを指します。点字と対で使用する場合は、いわゆる目で読める文字という意味合いになり、視覚障害者に「資料は点字と墨字どちらでご用意しましょうか?」と尋ねたり、視覚障害者が相手に「近づければ読めますので墨字の資料をお願いします」と伝えたりすることがあります。